2024年度 初級登山教室

テント泊実技

【日時】2024年10月5日(土)~ 6日(日)テント泊
【天気】曇り時々晴れ
【参加者】N森(CL)T 内(SL)M代(食糧)、T成(会計)、N村(記録)、N堀(記録)
【コースタイム】
10月5日(土)坊村バス停7:55→9:13北山→11:07白滝山(昼食)→13:27森山岳13:42→15:48比良岳 (テント泊)
10月6日(日)比良岳7:10→7:35葛川越→8:00烏谷山→9:00荒川峠→9:20南比良峠 →10:05東レ新道分岐→10:20 金糞峠→10:30金糞峠西側下の分岐→10:40ヨキトウゲ谷入口の分岐→10:55上林新道四辻→11:35中峠(昼食)→12:20シャクシコバの頭→15:15 口ノ深谷入口→15:30 伊藤新道出合→15:35三ノ滝→15:50明王谷林道ゲート→16:00坊村着

【記録】
10月5日(土)1日目
今回はテント泊講習であるが地図読みも兼ね、各受講者がリーダーを交代しながらルートファインディングも行うという形式で実施された。まず北山に向かうため取り付きを探す。明王院から何度か屈折する道路の曲がり具合を地図と照らし合わせながら進むと急斜面ではあるが少々階段状になった道筋が樹木の間に現れた。北山を目指す登山口である。通常のルートではないためそこから尾根を外さないよう注意しながら登る。途中急登のため登り易い箇所を探し求めてトラバースとなったがトラバースはできるだけ避けること、歩く場合は山側の足は進行方向、谷側の足は斜面に対してやや谷側に向けるようアドバイスをいただいた。北山(695m)に到着するとリーダーを交代し、次の白滝山を目指して再び地図で方向、距離、標高を確認。少し傾斜は緩やかになり、針葉樹の落葉を踏みしめながら登ると徐々に美しい広葉樹林帯へと移っていった。爽やかな陽射しの中、ブナに囲まれながら白滝山(1022m)で昼食をとり、次は小ピークを幾つも拾いながら本日の最高標高地点である森山岳を目指した。まずは長池を目標に定めるがその前にもオトワ池があり、その他にも地図に記載されていないが長池に近い大きさの池が続き、驚いた。また事前に地図で送電線が折れ曲がっている所に電波塔があるはずと読み取り、実際その通りであることを確認。長池からはほぼ真南に南下し、池を回り込みながら、森山岳(1080m)に到着。次に今夜のテント泊地である比良岳をめざし、まず関電の巡視路と電波塔を目印に尾根を北東に下ったのだが、その後ジャガ谷から目的地の方角は分かっていても途中できるだけ歩きやすい、少しでも踏み跡のある最適なルートを見極めるのが難しかった。最後の登りを終え、無事比良岳(1051m)に到着。まずテントを設営、陽が落ちないうちに夕食の準備をし、栄養と味覚のバランスを考えた肉と野菜のビーフンとパンプキン料理をいただいた。食事後は皆で一つのテントに集まり、山に登り始めたきっかけ等を語り合った。(N堀)

10月6日(日)2日目
比良岳標高1051m(宿泊地)7:10に出発し、比良山縦走路を辿りながら下っていく。途中大岩があるところで琵琶湖側にきれいな雲海が見られた。7:35葛川越着→8:00烏谷山山頂着 山頂では蓬莱山がきれいに見えた。途中標高990mの鞍部から進路を縦走路から南に向かい標高960mの小ピークを目指すが、なかなか見つからずとりあえずのピークを確認する。もう一度縦走路に戻るべく進路を北東にとるが、ルートが分からず登り返して小ピークに戻る。改めてルートを確認するが大変分かりづらく時間を30分くらい要した。それでもなんとか縦走路に戻ることができた。9:00荒川峠着→9:20南比良峠着 小休憩してから進路を北向きにかえ、堂満岳の西側の縦走路を行く。すごく歩きやすい登山道で複数の登山者と久々に出会った。今回のルートではほとんど他の登山者とは会うことがなかった。10:05東レ新道分岐着→10:20 金糞峠着→10:30金糞峠西側下の分岐着 広場の真ん中に大きなブナの木があり、またきれいな沢に囲まれているのでテント場にはすごくいい場所だと感じた。そこから沢沿いの登山道を北西にルートを取り少しずつ標高を上げていく。10:40ヨキトウゲ谷入口の分岐着 沢を何度か渡渉しながらどんどん標高を上げていく。2日目のルートでは一番きつかった。10:55上林新道四辻着→11:35中峠着(昼食休憩)進路を南西方向に取りもう少し標高を上げていく。途中に展望がよい場所があり琵琶湖対岸の沖島がきれいに見えた。12:20シャクシコバの頭標高1121m着 今回のテント泊実技の最高標高地点になる。あとは尾根を辿りながら南西に下るルートになるが、標高950m付近に西の尾根と南の尾根の分岐点がある。最初のほうは勾配も緩く尾根も分かりやすかったが徐々に尾根が分かりづらくなり注意しながら下っていく。しかし間違って南の尾根ルートを20mくらい下りてしまった。そこで気付いて登り返して確認すると分岐の少し上に小さなケルンがあり、そこでルートを右に取るとピンクリボンの標識があった。ここは大変迷いやすいので注意が必要だと思う。そこからまた尾根伝いにどんどん下っていくが、標高700m付近からはかなりの急こう配でルートの尾根も分かりづらく尾根を何度か間違えた。そこで慎重に尾根を確認しながら降りていくが、ここでかなりの時間を要したと思う。結構大変なルートでここが今回実技講習の核心だと思う。15:15 口ノ深谷 入口着 なんとか無事に全員下山でき、あとは林道歩きとなる。15:30 伊藤新道出合着→15:35三ノ滝着→15:50明王谷林道ゲート着→16:00坊村着 (N村)

(一口感想:講師)
今回は、これまでの講習の総合演習ということで、テント泊に不慣れな方には少し大変だったかもしれません。しかし終了後の受講生のみなさんのコメントは適切で、それぞれよく課題を把握されていると思いました。講師からお伝えすべきこととしては、パーティ山行はチーム活動だということです。もちろん個々のメンバーの自由な楽しみ方はあっていいのですが、パーティ山行の第一目的は、メンバー交流などの意義を別にすればリスクの最小化ですから、各メンバーは装備の分担、行動の仕方から歩き方まで、パーティとして最も効率的で安全な方法を選択しなければなりません。これには山行の難度、メンバー構成などにより幅があります。それを踏まえて、全員が方針を共有し、協力してそのパーティでなければできない充実した山行を成功させるのが、パーティ山行技術だと思います。最初は色々とスムーズにいかないことがあったかもしれませんが、技術や経験があってはじめて可能になる山の楽しみ方もあると思いますので、今後も色々な山行にチャレンジしていただければと思います。(N森)

テント泊と地図読みの2日間は登山道を外したオフトレイルが随所にあり読図の難しさを味わえたと思います。テントはどういった場所に設営するのか、設営や撤収に要する時間なども理解ができれば時間短縮にもなり余裕が生まれます。また、今回はシャクシコバの頭から後半の鞍部までの急斜面の下りが核心でした。私も途中でルートを誤りましたが尾根の分岐や尾根が一部不明瞭になって斜面状になった場合どの方向に下るのかはとても大事です。そのためには、ところに差し掛かった場合は絶えず地図とコンパス、周囲の地形や傾斜を見比べて慎重に進む必要があります。また、できる限り荷物を軽量化して身体に余裕をもたせることです。受講生の皆さんはもう少しで「卒業」です。最後まで気を抜かずがんばってください。(T内)

(一口感想:受講生)
一日目…
初めてのテント泊でした。皆で荷物を分担し、登り出したら、普通に急登。妥協のないルートで、皆、引き締まった気持ちで目的地まで辿り着きました!沢の水を汲んで頂上まで運ぶのも一苦労。夜のビーフンとかぼちゃグラタンは疲れた身体に沢山のエネルギーをくれました!談話タイムを経て、ばたんきゅうで、いつもよりぐっすり眠れました。 二日目…バリエーションルートで下山しました。尾根に乗るようにと思いつつも、すぐにそれてしまい時間が余計にかかりました。大きな荷物を持っているのに…と思いながらも、ゴールでの達成感は半端でなかったです。半年間の講習で沢山の事を教わっているなぁと、しみじみ感じました。二日間、本当にありがとうございました!(M代)


今日7日は終日雨、4日も雨だったので、ちょうど天気の良い2日間にテント泊できたことはとても幸運でした。今回は収穫の多い2日間となりました。
①コンパスの使用方法をようやく理解できた事 ②その事で多少地図の活用方法がわかった事 
③尾根から外れた時の対処法を少し実施できた事など、今後の山歩きに活用出来そうです。(T成)


今回のテント泊実技は、地図読みバリエーションルートの総仕上げとテント泊実技になるが、ルートも結構長く分かりづらいルートなので少し不安がありました。しかし全体の山行計画から食事計画など事前準備から実戦形式で学ぶことができ、またバリエーションルートとテント泊という普段の山行ではあまり経験できないことができ、今後の山行において自信につながると感じました。個人的にはテント場で快適に過ごせるようにといろいろ持ちすぎてしまい、ザックが重くなり、なんども途中で持ち物の選択に失敗したと思いました。しかし、おかげでまだまだ体力があることが確認できてよかったです。(N村)


今までテント泊周回は経験が無く、堂満岳、武奈ヶ岳等それぞれ単独の山行であったが、今回の山行のお陰で北山から森山岳、比良岳、金糞峠周辺までの全体像が繋がり、地形のみならずそれぞれの地域の樹木等の生態の違いも頭の中に思い描けるようになった。それは事前に地図を自分で読んで地形等を思い描いていたからこそで、結果として比良山系の美しさをより深く知ることができた。ルートファインディングについてはコンパス等で方角を理解した上で、間違えばまた引き返すつもりで思う方向に少し動いてみることも大事だと思った。異なる方向から地形を見ることで樹木等で遮られた地形や踏み跡等を発見できることもある。これからの課題として、地形を見る力、距離感覚、自分の歩く速度の把握等から正確に現在地を特定できるようにしたいと思う。(N堀)


<クライミング実技⑤>大原・金毘羅山

日時  2024年9月29日(日)  9時15分~14時30分
場所  大原 金比羅山  
天気  曇のち下山中に小雨
講師及びスタッフ
 N森(山の会オフトレイル)・H川(滋賀山友会)・H本(ちごゆり)
受講生
 N村、M代、N堀、T成(記録) いずれも滋賀山友会

実技
前回のシングルロープを使用してのマルチピッチの練習に引き続き、ダブルロープでのマルチピッチ練習を実施した。3ピッチをリード(講師)とフォロー(生徒)で入れ替わらずそのまま進んだ。最後に懸垂下降を行い下山。
~1ピッチ目の流れと注意事項~
 ➀2本のロープは左右の色を決めて、リードとフォロー共に同色は同じ側にてタイインポイントにエイトノットで結ぶ。
⓶フォローは片方のロープでクロープヒッチにてセルフビレイをとる。
⓷リードはゼロピンをつくる。
⓸準備できたら「登ります」といいリードが登り始める。
⑤途中ロープが絡まった場合、フォローは2本を引いたまま右手を離さずに左手でほぐす。
⓺リードの動きを見るのが第一で、次の動きを予測してロープを出してあげる。ロープ出しが遅れるとリードはのけぞることになり危険。また、ロープの残りを「ロープ半分」「ロープ10m」とリードに知らせる。
 ⑦リードが1ピッチ登ったらセルフビレイをとり「ビレイ解除」という。
⑧フォローもビレイを解除して「ロープアップ」。ここでグローブをはずしてまつ。
⑨リードがロープアップを始め、途中フォローは「ロープ半分」「ロープ10m」「ロープいっぱい」と声をかける。
⑩リードが「どうぞ」と言うまではセルフビレイは解除しない。
⑪その後「どうぞ」の声がかかったらフォローはセルフビレイを解除して「登ります」を宣告して登り始める。
⑫その後ゼロポイントを回収。
⑬登る時はロープが張られた状態の時に登る。
⑭フォローが登り切ったらまずは、支点にカラビナをかけ、一方のロープを使用しクローブヒッチでセルフビレイをとる。この時ロープの長さに注意。
~2ピッチ、3ピッチ目~
➀本来ならば2ピッチ目はリードとフォローが入れ替わり、1ピッチ目でフォローだった人がリードとなり先行する。しかしこの登山教室では入れ替わることなく進む。
⓶リードが束ねたロープをフォローは「上下裏返して」受け取る。リードはロープが出やすいように束ねてくれているため、これを壊さないように。
⓷あとは1ピッチ目と同様。

一口感想(受講生編)

 下山途中からぽつぽつ雨が降り出したが、無事実習を終えることできたのはラッキーでした。また
細かい指摘はありましたが、一連の流れはスムースにできたと思います。途中ロープを出す場面では
ロープが絡まっていてスムースに出してあげられないケースが多々あり、実際の急斜面では片手1本
ほどくのは難しく、どうなるのだろうと不安が残りました。懸垂下降もセットはスムースに出来たも
の、ビレイデバイスのセットで表裏が逆になっていたことを指摘していただきました。ここはもう一
復習したいと思います。(T成)

 今回はダブルロープでのクライミングでした。シングルロープで登攀したコースなので、少し余裕がありました。が、ロープが絡まったり焦ったり、思いどおりにならない事も。段々ギアにも慣れてきたので、帰ってからしっかり復習します!(M代)

 初めてのダブルロープでしたが、前回と同じゲレンデということもあって技術の確認には最適でした。ビレイのロープの出し方が自己流になってしまっているので修正が必要でしたし、また懸垂下降も頭では覚えているつもりでもその場になると手順に戸惑ったりとまだまだ何回も正確なやり方で繰り返し練習することが大切だと実感しました。受講生のために何度も登ったり降りたり、また重いロープを担いでくださった講師とスタッフの皆様には感謝しかありません。(N堀)

 今回はダブルロープの実技講習という事で、はじめにダブルロープの太さに正直不安を感じました。おそらくシングルロープをいつも使っていたからだと思います。懸垂下降時に2本のロープをつなぐ際、結び目が解けないか特に心配になりました。しかし講師の方からの適切なアドバイスによりダブルロープのほうがより安全と言う事が判りました。ロープがからまったりとか扱いは少し複雑になると思いますがアルパインではダブルが主流という事なので、これからしっかり覚えていきたいと思います。
(N村)

一口乾燥(講師・スタッフ)

今回も怪しい天気でしたがギリギリ降られずに終了できました。
今回はダブルロープということで、ロープの扱いなどがなかなかスムースにいかない面もあったかと思います。しかし受講生のみなさんはシステムそのものには慣れてこられて、少し余裕がでてきたように思いました。ただ繰り返しになりますが、慣れていてもいなくても、依然としてリスクは同じようにそこにあることを忘れないようにしてください。易しい岩場では問題にならない小さなミスでも、そこに安全がかかっている場合には大きく明暗を分けることもあります。特にビレイの動作、装備の特性と扱いについては、何度も繰り返し自分で練習して、隅々まで正確に体に覚え込ませてください。(N森)
 
皆様お疲れ様でした。気温はかなり下がりましたが湿度が高くて気が滅入りそうでした。
さて本題ですが、ダブルロープって手間が多いですが、命綱が2本あるのでシングルより安全なのです。リードをビレイする時右手ならロープは右に、そしてリードクライマーから目を離さずにロープの操作は感覚で出来れば理想です。それとビレイヤーは安全を支配する立場にあるので、ビレイがライントラブル等でうまく行かない時は必ずリードクライマーに伝えて下さい。命優先です。それくらいの心構えで望んでください。特に指摘する箇所はありませんが、あるとすれば一つ一つの結びをしっかり確認して下さい。体で覚えていても人間は必ず失敗する生き物です。身体で覚えて目で確認して、理論でも確認して下さい。 (H川)

 前回に引き続き金毘羅でのリハビリ。Y懸尾根に2本のザイルが綺麗にのびてゆき岩頭を超えてゆく。受講生も澱みなくフォローしてゆき、講習会の熱度が感じられる。ピッチ終了後、みなさん、冷えたパスタのように絡まったザイルの捌きに苦労している姿にほのぼのしました。
最後の懸垂下降に際し、ハイカラなデバイスや複雑なシステムに自分の命を預けるのが恐ろしく、暗闇の中でも懸垂下降できるよう身体に染み付いた化石のような「エイト環」を用いて下降してしまいました。N森さんの口酸っぱく言われる「手癖」になるよう反復して練習するのが大切、基本動作が癖となるよう、暗闇でも目を瞑っても操作できるようにするのが肝要と改めて感じました。(H本)


<クライミング実技4> 大原・金毘羅山

日時:2024年9月8日(日)9:00 ~ 16:30 晴時々曇り 
講師及びスタッフ:N森(山の会オフトレイル)、K口(滋賀山友会)、H谷川(滋賀山友会)、Y元(山の会オフトレイル)、H本(ちごゆり山歩会)
受講生: M代(滋賀山友会)、T成(滋賀山友会)、N堀(滋賀山友会)、N村(記録)
【報告】
前回5月のシングルピッチ実技から少し時間が経過したが、今回も岩場にてマルチピッチ登攀、懸垂下降の技術を4組に分かれて学んだ。まず講師陣がリードで登り受講生がビレイを行う。続いて講師陣が終了点で支点を構築しセカンドビレイを行い、受講生がフォローで登攀を行う。本来は終了点でリードを交替するが(つるべ方式)今回の講習では受講生はそのままビレイを行い、講師が再びリードで登攀をする。これを1サイクルとして、このサイクルを繰り返しながら目標地点まで登った。目標地点に着いて少し休憩した後、懸垂下降のセットをバックアップ付で行い、実際に岩場を懸垂下降した。主にマルチピッチでのビレイ・登攀~セルフビレイ・支点構築の手順・操作・注意点などを実践形式で学んだ。

1. 準備
岩場に到着したらまず初めにヘルメットの装着を行う。続いてハーネスの着用・クライミングシューズの履き替え等を行い、ビレイヤー(受講生)はハーネスにロープをエイトノットで結び、メインロープでセルフビレイをセットする。次にクライマー側が上になるようにロープを捌き、クライマー(講師)もハーネスにロープを結ぶ。ビレイヤーはビレイデバイスをセットしたのち、お互いに結び・ハーネスをチェックする。
2. 1ピッチ目
  クライマーは中間支点をセットしながら登攀を行い、ビレイヤーはクライマーの動きに注意しながらビレイを確実に行う。ロープの残りが少なくなればあと〇〇mとクライマーに知らせる。クライマーは終了点に到達したら支点を構築し、セルフビレイをセットする。その後【ビレイ解除】のコールを行う。ビレイヤーはビレイデバイスを外したのち、【ロープアップ】のコールをする。クライマーは余ったロープを引き上げ、ビレイヤーはロープがいっぱいになれば【ロープいっぱい】のコールを行う。クライマーは支点ビレイをセットし、【○○さんどうぞ】のコールを行う。ビレイヤーはロープが張られているのを確認した後、セルフビレイを解除し、少し登り、さらにロープが引き上げられるかを確認してから中間支点を回収しながら登攀を行う。登攀時の注意点としてはロープが常に張られている状態を保ったまま登攀を行う必要がある。終了点に到着したら素早く確実にセルフビレイをセットする。
3. 2ピッチ目
 クライマー(講師)はビレイデバイスを外し、引き上げたロープの束を上下逆にしてビレイヤー(受講生)のセルフビレイコードに掛ける。この時、ロープが絡まったりしている場合は、必要に応じて捌きなおしを行う。ビレイヤーはビレイデバイスをボディビレイにセットした後、クライマーに回収したスリング等を手渡す。続いてクライマーはセルフビレイを解除して次のピッチを登攀する。この際、クライマーが最初の支点にクリップする前に落下した場合、ビレイヤーが後方に引きずり落されるのを防ぐよう0ピンをできるだけ早い段階でセットするようにする。
以上が一連の流れになります。今回の講習では4組に分かれて登攀したのですが、【コール】について、自分のパートナーのコールと他のペアのコールが分からないことがありました。そこで無線機を使用する事によって改善されました。特に周囲にたくさんのクライマーがいる場合、コールの聞き違いなどが起こるので、無線機の使用は大変有用だと感じました。あとは個人的にビレイデバイスのセットの向きなど細かいところがまだまだ不慣れなため、経験と練習が必要だと思いました。(N村) 記録

【一口感想】
〈講師・スタッフ〉
「しばらくぶりのクライミング実技でしたが、受講生のみなさんは少しずつシステムに慣れてこられているように思いました。終了後にも言いましたが、少し気になったことは、ビレイの操作に不正確な部分が見られたことです。誰でもそうなのですが、時間が経つと記憶の輪郭が曖昧になってきて、何となくはわかっているつもりでも意外に肝心な点が抜けてしまっていることはよくあります。クライミングでは特に、そうした点が自分だけでなくパートナーの安全にも関わりかねません。ビレイだけでなく、カラビナやスリングなどの装備の使い方も含め、どの場面においても「なぜそうすべきで、なぜそうすべきでないか」を明確に答えられるように、また実際にもそれが適切な動作に結びつくように、隅々まで資料を見返してから次の実技に臨んでいただければと思います。」 (N森)

「今回シングルロープでのマルチピッチという事でしたが良く理解されていたのではないかと思いました。今後はダブルロープクライミングも有りますので基本を忘れることなく受講していただき体験で終わるのではなく今後も続けて行って欲しいです。」(K口)

「数十年ぶりに訪れた江文神社、雨宿り等でお世話になった絵馬堂がリニューアルされてるし、綺麗なトイレもありビックリでした。しかし、Y懸尾根に取り付くと、懐かしい硬質のチャート、アイゼンで丸められたホールド、若かりし頃に通い詰めた記憶が鮮やかに蘇りました。昭和の香りのするリングボルト、RCCボルト、腐ったハーケン、トップロープの支点としてお世話になった松の木がそのまま残っていました。M、Kフェースやホワイトチムニーに触れなかったのが心残りでしたが、眼下に大原の里を眺めながら、のんびりとした休日を過ごせたことに感謝します。」 (H本)

「みなさん暑い中本当にお疲れ様でした。朝夕が少し涼しくなってきて、昼間の温度も真夏よりは下がっているので錯覚を起こして水分を少な目にしてしまいました。山屋としては大失敗です。今回はクライミングでシングルロープでのマルチピッチの練習ですが、その前に残暑厳しい中での登山というカテゴリーなのでしょうね。僕自身はその辺りで少し間違えました。やはり何事も一歩引いた目線で物事を見ると言うことが大事になりますね。クライミング実技は残り2回。怪我なく充実したものにしましょう。宜しくお願いします。」 (H谷川)

「講師、受講生、スタッフ皆様暑い中、お疲れ様でした。特にビレイ解除は、注意していただきたいことがあります。ビレイ解除の際、ロープを外すときビレイデバイスと外すことがよく見られますが、デバイスを外すと落とすことがあります。ですので、ビレイデバイスは、カラビナに付けたままでロープだけ外したほうが良いと思います。私の経験からです。ビレイデバイスがないと懸垂下降ができなくなります。今後も岩と対話しながら登っていきましょう。おしまい。」(Y元)

〈受講生〉
「5月の第1回登攀実技の時はなかなか理論と実践が繋がらず、色々アドバイス、ご指導を頂いてやっとクリアできていた感じでしたが、今回マルチピッチシステムという全体の流れの中で各操作がどういう結果に繋がるのかが見えてきたのが収穫でした。それはやはり過去2回の沢登りの様々な場面でロープ、スリング、フリクションコード等、各装備の特色を生かして実践的に何度も使ったことが今回のクライミングに役立ったのかなと思います。」 (N 堀)

「少し期間を置いてからのクライミング講習でした。シングルロープでペアで登っていきました。途中トップのかたの作業も経験し、懸垂下降を終えて下山しました。現地で『どうするんだっけ?』とまだ考えてしまい、この時間が命取りにならないよう時を置かず復習していきます。講師の皆さま、一緒に受講した皆さま、今回も一日ご一緒出来て勉強になりました。ありがとうございました!」(M代)

「セルフビレイの取り方に最初のうちは戸惑いがありました。リードクライマーが登っている時のビレイヤーのセルフビレイ。ビレイヤーも登りきった時のセルフビレイ。ともにトップロープを使用するのがなんで?となりました。資料をもう一度読み返したいとおもいます。」(T成)


沢登り実技2(八淵ノ滝)

2024.8.25

2回目の沢登り実技はガリバー旅行村のキャンプ場の駐車場ftらのスタート。雨雲の動きや雷雨の予報が心配だったが途中撤退も視野に入れての出発。大摺鉢を右に巻いて9時35分頃に入渓点へ到着。ガスが出だして小雨もピリリと来たが、進むにつれ周囲は明るくなってきた。今回は八淵ノ滝の後半コース。昨年の前半コースの続きとのこと。平流を進み、小滝の連続。5m程の滝では岩と木でアンカーをとってロープを下ろし、最初はロープエレベーターで引上げしていたが時間短縮のため順番にマッシャーでロープを上っていった。 目の前に滝が現れる度に、どのようなロープ技術でクリアするか…2回目の今回も、受講生はスタッフの行動を見ていただけだった。初級登山教室の知識を、状況判断で適切に使えるよう自己研鑽しないとと痛感。オガサカ分岐を通過し、12時から20分程昼食タイム。昼食後も各自、水の中あるいは巻き道で前進した。雲間から太陽の光が漏れ出でて、沢の水や周囲の緑をまろやかにし、途中深い場所ではザックを浮き替わりに泳いだり、逸れない程度に各々が進路を取った。取っ掛かかりの少ない小滝が出てくると皆どうするか途中まで登ってみたり巻き道を調べたり…。一人一人が経験と知識を総動員して滝に向き合った。生物としての DNAが大いに刺激される経験だった。15時過ぎに広谷手前で出渓。沢靴を脱いで地上モードに戻り、ガリバー旅行村駐車場へ。 前回は帰り道にルートファインディングを行ったが天候も心配だったため素直に帰路に就いた。 夏休み最後の日曜を終えたガリバー旅行村は静ftな空気をまとっていて、夏の終わりを感じさせた。最後にヒルで出血した方もいたが、怪我無く沢登り2回目を終えられた。講師やスタッフの方々の適切な状況判断の賜物だと思う。実り多い講習に、改めて感謝!申し上げます。(行程リポート&感想:M代)

(一口感想:講師)
・天気が期待薄で直前まで実施を迷いましたが、無事全行程を終了できてよかったと思います。受講生のみなさんも、前回より慣れてこられたのではないでしょうか?後は経験を重ねて「この場面では何に注意してどう行動するのがよいか」を適切に判断し、より効率よく遡行できるようになっていただければと思います。ただし、慣れてきた頃が最も危険です。沢は行き詰まった時に後戻り不能になるリスクを常に頭に置いてください。一点追加で気付いた点です。沢は突破できれば何でもありで、時に膝を使うことも辞しませんが、常用すると危険な登り方の癖が付きます。あくまで軸足に体重を乗せて体を押し上げる登り方を基本としてください。最後の衝立のような滝については、登れる人は何でもいいのですが、ベターな解決方法としては「左手の支沢の方に少しへつってから高巻きで本流に下りる」だったかと思います。そうした「見る目」を養うことも重要かと思います。(N森)

・七遍返しの滝から上部の遡行は初めてで滝の規模こそ小さいがナメ滝、ゴルジュ、小滝などが連続し明るくきれいな沢でした。沢登りは足元が悪く、落石や濡れによる滑落の危険がありますが足元を慎重に見て手がかり、足がかかりをうまく使うことで自身の安全が確保され、快適さも増します。クライミングやバリエーションにも共通しますがどこに足と手を置けば安定して登れるのか考えて身体を動かし、安全地帯に早く逃げるまたはセルフビレイ(自己確保)をとることが必要です。山では自分とパーティの身を守ることを常に意識して行動してください。(T内)

・当日は台風の影響が有るとの事で中止かなと思いましたが。無事に開催する事が出来ました。第一回目の時と比べて皆さん要領も得てスムーズに遡行されていた印象です。今後は数をこなすと共に少しでもレベルの高い沢に挑戦してほしいです。その為には沢独特の技術の習得が必須ですが昨今は色々な媒体で勉強する事が出来るので是非勉強してレベルアップをして欲しいです。(K口)

・天候の怪しい中行われた沢登り。一昨年の初級登山教室で下半分行かれたと言う事で、今回上半分。噂では濡れてると滑るし難易度上がると聞いていましたが、実際苔むしているわけでもないが岩肌はヌメヌメしていて気持ちの悪い感じでした。実際はあまり滑ることもなく何と か無事に登りきる事ができました。泳ぎも少しあり色々楽しめた沢登りでした。初級登山教室と言う環境下では結構難易度の高い沢登りだったと思います。でもみなさん果敢にチャレンジされていました。とにかく皆さんご無事で何よりでした。これからも安全第一で宜しくお願いします。
(H谷川)
(一口感想:受講生)
・兎にも角にも無事カリキュラムを実行出来た事が何よりでした。
滑る岩の見分けが不完全なので、まだおっかなびっくり歩いている状況です。クライミング要素の強い滝登攀では、先行者がどこに足を乗せたか、どこに掴まったかをしっかり確認して続くレベルです。この点も経験がまだまだ足りないかなと思います。(T成)

・沢登り第二回目は岩登り以上に様々な技術、判断力、応用力が必要であることを再認識した。人工ボルトがあった滝ではそこにクイックドローをかけ、スリングを垂らして足をかけて登ったり、フリクションコードがあまり効かないときはスリングをマッシャーにして使ったり、1つの可能性がダメでも次々と代替のスキルのストックがあるということが非常に重要だと思った。沢登りは登山教室での2回で十分かなと思っていたが、水を浴びながら次々と課題をこなしていく楽しさを少し味わえたのが一番の収穫であった。(N堀)

・2回目の沢登りということで、準備から装備まで前回の講習よりは少しできたと思います。改めて感じたのは、沢登りはすごく楽しいけども危険が伴う事も多いなと思いました。特に滝を登攀する際、慎重に手足の確保場所を選んで登っていけても途中で進めなくなり、クライムダウンするには難易度が高く降りられなくなるリスクがあるなと思いました。やはり登る前にルートの確認をしっかりと行い、登れないなと少しでも感じたら無理をせず巻道を利用することが大事だと思いました。(N村)


 沢登り実技 1 比良・サカサマ谷

日時:2024 7 28 日(日)晴れ時々曇り

 

コース:サカサマ谷入渓点9:10-木橋10:25-小女郎ヶ池/権現山最終分岐12:25-源頭部13:35-小女郎ヶ池14:1015:00 (休憩)-林道 (下山) 16:35

 

講師及びスタッフ:N 森(山の会オフトレイル)、K口(滋賀山友会)、H川(滋賀山友 会)、Y元(山の会オフトレイル)、Y岡(滋賀山友会)

 

受講生:M 代(滋賀山友会)、T 成(滋賀山友会)、N 村(滋賀山友会)、N 堀(滋賀山友会、記録)

 

【報告】

 

駐車した林道から5分ほど歩いた所で装具を着用、入渓の準備を行った。受講生は沢登り経験者1名のみ、他3名は初めてである。外ポケットにはペットボトルなど落下の可能性のあるものは入れず、できるだけ必要なもののみコンパクトにまとめザックに収める。ヘルメット、ハーネスがしっかりと正確に装着できているか点検する。滝の水量は今梅雨の雨量のせいか多めで、最初の3mの滝は高巻きした。高巻きが必ずしも安全というわけではなく、谷の斜面は崩れやすく石などが非常に不安定で登りにくく倒木もあり注意が必要だ。いよいよ入渓し滝に近づく。滝壺は底が見えず、どのくらいの深さなのかゆっくりとすり足で探り、岩にとりつく。足を置くスタンスを探す際、滝の中の隠れた所にある場合も多いので滝の水の流れを見て水が屈折して跳ね返っている所を探ってみるとよいと教えて頂いた。高い滝ではトップロープでハーネスとつなぎ安全確保しながら一人ずつ登っていく。その際ロープが常にしっかり張っているか確かめながら登るのが重要。沢登り用の靴とグローブをはめているとは言え、やはりぬめりがある岩なのでロープがこれほど心強いことはない。小さな滝でもホールドがなかなか見つからないときはスリングを使い滝上から引っ張り上げて頂いた。前半の連続した滝の最後に木橋があり、形状は留めているが苔に覆われいつ壊れてもおかしくない状態で、その下の5mの滝もロープを使用し登攀した。その後も幾つか小さな滝を越え、水流が消滅したところで沢登りは終了。そこから崩れやすい斜面を這い上がり、尾根に向かう。真夏の暑さを懸念したが、小女郎ヶ池では高度のお陰か少し涼しく、沢登りで濡れているせいもあってしばらくは心地よい日差しであった。ゆっくり休憩を取った後、今度は地図読み山行のようにGPSと地図とコンパスで道を探りながら下山。その途中、樹木に熊の爪痕があるから注意と言われたが、その通り最後に罠にかかかった熊に出くわし驚きと同時に常に周りを観察し、危険に気づき素早く対応する重要性を感じた。初めての沢登り、危険と隣り合わせではあるが最善の安全対策を尽くした上で、お互い助け合いながら楽しめるものであることがわかった。ありがとうございました。

 

 

 

【一口感想】

 

〈受講生〉

 

『水が重いっ』ということを久々に実感した。上から落ちてくる水に抗って登るのは、未熟な私には中々難しい。そんな中、スタッフの方々はロープをサッと取り出し、岩に支点を作ってロープダウンし、後ろからもザックを持ち上げてもらい、なんとか滝をクリアして行った。大感謝!!

 

翌日は腕やお腹の筋肉痛が半端なかった。

 

しかしながら、難しくて、かつ、落石やスリップ等の危険要素いっぱいでも、その事を上回る、水の冷たさや静けさ、緑の美しさや生物の存在がもう一度沢に行きたいなぁと思わせる。やはり沢登りは魅力的。もう一度テキストを読んで、もっと沢を堪能したい。(M代)

 

 

 

初めての沢登り実技講習ということで事前の装備から分からないことばかりで少し不安でしたがいざ現地でいろいろアドバイスを受けながら準備して入渓すると、まず沢靴の威力に正直びっくりしました。また当日は大変暑くなる予報でしたが水につかりながら登っていくと少し寒いぐらいでした。子どもの頃によく沢遊びをしていたのを少し思い出しながら楽しく過ごせた一日でした。8月の沢登り講習も楽しみにしています。ありがとうございました。(N村)

 

ラク!の発生が聞こえ、目の前を直径2030cmはある巨岩が転がり落ち、受講生のヘルメットに直撃した。もし声に釣られて見上げていたり、10cm横に逸れていたらと想像すると、、、。改めて沢登りの怖さを体験出来ました。

 

あと下山時は気温が高く、かなり汗をかいたこともあり、帰宅途中に猛烈な頭痛に襲われて意識が朦朧としてしまい、結局水分補給を誤ったのが反省です。(T成)

 

 

 

〈講師・スタッフ〉

 

今回は水量が増えていて、途中でロープを出す場面もあり、遡行に時間がかかりました。沢はこのように水量によって大きく状況が変化するだけでなく、地形や路面の状態、植生も常に変化している非常に不安定な場所です。それだけに、登山のあらゆる危険察知能力と安全管理技術を身につけた上で入渓するようにしていただきたいと思います。
滝の登攀では、ホールドに欠けや剥がれが無いことを確かめてから力をかけること、クライムダウンまたはエスケープができることを確かめてから登り始めること、などは特に留意すべき点です。また沢だけでなくクライミング全般に言えることですが、フォロー登攀時はロープを弛ませないことを徹底するようお願いします。安全面での技術が向上すれば、一般道歩きとはまた違った山の楽しみが広がるものと思います。(N森)

 

 

 

今回は何度か経験した人と全く初めての人もいましたが怪我無く終了できたので良かったと思います。

 

当日も言いましたが、色々なタイプの沢が有りますので1回、2回で行かなくなるのでは無く何回も行って自分に合った沢を見つけるのも良いのでは無いでしょうか?

 

あとクライミング要素も含まれるので予習・復習もお忘れ無く。(K口)

 

 

 

酷暑の予想に反して少し曇り気味で滝の水に打たれるのが結構冷たく感じる沢登りでした。僕自身今年初めてだったので歩くのも登るのもロープワークも思い出しながらでどうしても後手後手になってしまいました。沢登りでいつも思うのは沢を抜けた後がキツイ、暑い、しんどい。それでも行ってしまう^_^ それだけの魅力があるんでしょうね^_^

 

 

 

内容としては初めての方が3名だったので心配していましたが、みなさん飲み込みが早く、怖がるどころか逆に楽しんでおられる様に見えました^_^

 

とにかく危ない遊びです。安全には最大限の注意は必要です。沢の両側からはいつ落石があってもおかしく無い状態、ツマヅキ、転倒、捻挫で済めば良い方です。大きな打撲、骨折の可能性も非常に高いです。水量が多ければ流されることもあるし、ロープで確保されていても、落ちた瞬間確保している方が怪我をするケースもあります。今後の初級登山教室も緊張感を持って最大限の注意を払い安全に行いましょう。

 

みなさん本当にお疲れ様でした。(H川)

 

 

 

沢登りといえば、水に浸かって滝に打たれて気持ちいい! というイメージが沸きますが、実は命に関わる危険がたくさん潜んでいます。N森さんと他のスタッフの方々のお陰で安全に講習を終える事ができたのが何よりで、とても楽しくて気持ち良かったです。
個人的には、支点構築をどの場所でどのようにやるかを見極める力を身につけたいと思いました。皆様ありがとうございました。(Y岡)

 

 

 

暑い中、沢クライミングにとっては、大変気持ち良いクライミングてす。でも危険なアクティブですので、気をつけてやっていただきたい。それから落石が、ありましたね。全員無事怪我なく良かったです。私は、受講生たちに何も手伝いできなかったことが反省です。注意しておきたいことがありまして、沢登りとき皮膚にかぶれるような草を捕まってしまい今両手や手指や腕に水泡できるほどブツブツでてすごく痒いです。治るまで1ヶ月かかりそうです。特にイラクサは、気をつけたい。今後も沢クライミング実技があるので、知識やスキルを忘れず楽しんて行きましょう。(Y元)

 

 

 

 

 

 


読図・バリエーションルート実技➀


日時  2024年5月19日(日)  7時45分~15時45分
場所  比良 牛山・滝山  
天気  曇のち小雨
講師及びスタッフ
 N森(山の会オフトレイル)・T内(山の会オフトレイル)・K口(滋賀山友会)・H川(滋賀山友会)・H本(ちごゆり)
受講生
 N村、M代(滋賀山友会)、N堀(滋賀山友会)、T成(滋賀山友会・記録)
ルート
 比良元気村~滝山登山口~鳶岩~牛山~P655出合い~P622~オトシ出合い~楊梅の滝登山口~比良元気村 滝山は時間の都合で省略
実技
受講生4名が区間を8つに区切り、順番にリーダーとして地図・コンパスを使用して進行方向・距離・その区間の地形の特徴を読み取り、残りの8名を先導した。
➀目標地点
 地形図の磁北線とコンパスのノースマークを合わせる。現在地と目標地点をベースプレートの辺で結ぶ。磁北線とノースマークを平行にし、磁北と目標地点との角度を確認。「方位〇〇°、距離〇〇m」と目標地点をメンバーに宣言。さらにそこまでの間に予想されるルートの特徴を告げる。そしてスタート。
⓶先導中のポイント
・体の正面にコンパスをあて進行線の方向に進むようにする。
・磁石をこまめに見て、大まかに方向がずれていないか確認する。
・ピークを通過したり、進行方向が変わる時はその都度案内する。
・まめに後ろを振り返り、グループの人数が揃っているかを確認する。
・距離感覚をつかむ。これだけ歩けば〇〇mは進んだだろうと。
・トラバース道や突起物など危険個所はその都度案内する。
・水の流れがあれば、どちらに流れているかを見て、今の位置を確認できる。
・地図上の466の地点が記されていても、ピークとは限らない。
・小ピークなどは地図に現れにくいので、10m以上登ったり下りたりしたときは等高線が描かれているので一つの目安になる。
⓷経験談
・最初から進行方向が違っていて、本来南の方向に進んでいなくてはいけないのに、南東の方向にすすんでいて、講師に指摘されるまで      気付かなかった。
・目標のピークに着いたと思っていたら、まだ2つも手前のピークだった。
・高度計を現在地確認のツールにしていたが、けっこう誤差があったので、現在地を誤った。
・必死に前ばかりに神経を集中していたので、メンバーの一人が遭難(仮)していて、列にいないことに気づかずに進んでいた。
・トビ岩までは明確なルートがあり、ピンクテープも随所にあったので、それを頼りに進んでしまった。
一口感想(受講生編)
 昼前からぽつぽつ雨が降り出したが、雨具を着用するまでもない程度のまま下山までできたのはラッキーでした。肝心の実技では今一コンパスの使い方が分からず、踏み跡を頼りに進んでしまいました。地図は10m間隔なのでそれ以下のサイズの地形は読み取れず現在地を把握するのが困難なこともありました。普段ヤマレコの足跡ばかりを頼りにしているので、地図読みはとても楽しいけど難しいと感じました。普段よりかなり疲れた山行になりました。(T成)

 大人の難易度大のオリエンテーリングの様な地図読み。角度を持ってチーム内で情報共有し、地図と周りの状況と見ながらの山行は、身体より頭が疲れました。万が一の遭難に備えて、定期的に地図読み山行をしてみようと思いました。みなさま、ありがとうございました。(M代)

 どうしても踏み跡に頼ってしまい、また最初は目的地の方向を把握していても目の前の障害物に気を取られて避けるうちに方向を見失ってしまうということの繰り返しでした。常に俯瞰的に自分の現在地、周りの地形、行く先の方向を把握しておくことの大切さがわかりました。また地図上で見る地形が実際どのくらいの高さ、大きさなのかを感覚的にわかるようにしておくことも重要だと思いました。コンパスの使い方はこの一日で少し慣れることができましたので日頃の山行でも使っていけたらと思います。(N堀) 

                          
 最近はずっとスマホの地図アプリで登山計画を作成しての山行でしたが、今回の講習では久々に紙地図とコンパスでの登山ということで、自分で目的地を設定し、迷いながらも到達する楽しさを再確認しました。地図における現在地と地形から判断した自分の位置が合っているかを正確に判断することが一番大事だと思いました。そういった点からGPSの便利さにも改めて気づかされました。これからはバリエーションルートにも挑戦していきたいと思います。(N村)

一口感想(講師・スタッフ)
地形図は「見る」ものではなく「読む」ものです。
ルートの線ではなく、立体として三次元で読み取るように心がけて下さい。そして何よりも次に出てくる地形を予想した上で、その通りに歩けているか、傾斜・方向・距離をモニターしながら進むことが大切です。これは道標のある一般登山道でも同じです。また、顕著なルートが無い場合は尾根を辿ることが原則です。これは谷よりも見通しがよく危険も少ないからですが、尾根がはっきりしていれば、それを外さなければそうそう迷うことはありません。それと同時に、慣れないうちは難しいかもしれませんが、リラックスして広い視野を持つことも必要になります。残りの講習を通じて、少しずつポイントを掴んでいっていただければと思います。(N森)

クライミングもハイキングも基本は同じです。
クライミングはフォロワーの場合でもどこに手足を置くのか岩から少し身体を離して考え行動します。トップをビレイしている間はトップの動きを注視してロープを繰り出し、次の動作に手際よく移せるのかイメージしながらピッチを刻みます。ハイキング、今回はバリエーションですが目的地の方向を地図とコンパスで確認し、どこを歩けば到達できるのか地形を見て判断します。方向が判っていても急斜面や谷があるので真っ直ぐには歩けません。どこが弱点(歩きやすい)なのかよく見て行動します。私事で恐縮ですが報酬を受けるガイドの仕事と一般山行のリーダーとは反復継続してパーティを連れて行く点において同じです。もちろん責任の度合いは違いますがリーダーはパーティの他のメンバーはルートなど何も知らない(会山行では各自が自覚して当然です)ことを前提として安全で歩きやすいルートを選択し、間違いがあればすぐに軌道修正できることが必要です。山行では読図をすることで登山の楽しみが広がり安全につながると思います。(T内)

 地図読みは自分の読んだ通りに行けると面白いですし、間違ってもリカバリー出来れば自信も着くと思います。あとは、習うより慣れろで数をこなして精度を上げて下さい。(K口)

 今日は天気が怪しい中お疲れ様でした。終了時のミーティングでの感想に付け加え、雨の状況ならどうだったでしょうか?カッパを頭から被り視界の悪い中、また集中力も無くなりそうな中、全員が無事に下山できたでしょうか? などなど最悪の状況を考えるとゾッとしますが、そんな状況も想定して歩くのも悪くはないと思います。皆様本当にお疲れ様でした。(H川)

 昨日は、コンパスが使えない老人を無事下山まで導いて頂きありがとうございました。
平素から地図は入山前に眺め倒して地形を記憶して、予想した地形を辿るのが、マイスタイルでした。
 以前、冬季登山で伊那側と木曽側を勘違いして懸垂下降してビバークした時もスタイルを変えませんでしたが、今回の受講生の真剣な姿勢を見させて頂き激しく反省した次第です。まともなコンパスと国土地理院の地形図で一からやり直したく思いました。(H本)


<クライミング実技3> 大原・金毘羅山

日時:2024年5月12日(日)9:00 ~ 14:00 曇り後雨 
講師及びスタッフ:N森(山の会オフトレイル)、T内(山の会オフトレイル)、K口(滋賀山友会)、H谷川(滋賀山友会)
受講生: M代(滋賀山友会)、T成(滋賀山友会)、N堀(滋賀山友会)、N村(記録)
【報告】
今までのクライミング座学及び実技に基づき、実際に岩場にてシングルピッチ登攀、懸垂下降の技術を二組に分かれて学んだ。まず講師陣がリードで登り受講生がビレイを行う。続いて講師陣が終了点で支点を構築しセカンドビレイを行い、受講生がフォローで登攀を行う。受講生はそのまま終了点でセルフビレイをセットし、続いて懸垂下降のセットをバックアップ付で行い、実際に岩場を懸垂下降する。この動作を繰り返し行い、ビレイ・登攀~セルフビレイ・懸垂下降の手順・操作・注意点などを実践形式で学んだ。

1. 準備
岩場に到着したらまず初めにヘルメットの装着を行う。できるだけ岩場に背を向けないでハーネスの着用・クライミングシューズの履き替え等を行い、ザックなどが落ちないよう固定し、落下の危険があるところでは素早くセルフビレイを確実にセットする。
2. ビレイ
  まずお互いの装備を声出し確認でおこなう。次にビレイヤーはセルフビレイを適切な箇所で行えるよう、位置はクライマーの落下地点の真下に入ることは避け、なおかつできるだけ壁に近いところを選択するようにする。壁から離れたところから斜めにロープを張るとクライマーが落下したときに壁のほうにひきずられて衝突する危険がある。続いてビレイループにHMSカラビナをかけてビレイデバイスを取り付け、メインロープを通してビレイ態勢に入る。この時メインロープの向きに注意し適正にセットされていることを必ず確認する。クライマーが登り始めたら右手は常に右腰より下に配置し、クライマーの動きを確認しながらロープを繰り出していく。この時は絶対にメインロープから手が離れないよう注意しながら右手が腰より上にある状態はできるだけ短くなるよう素早く操作を確実に行う。クライマーが中間支点にヌンチャクをセットする際は素早くロープを繰り出して引っ張られないよう注意する必要がある。続いてクライマーからビレイ解除のコールがあればビレイ解除を行う。
3. 登攀~セルフビレイ
  ロープが引き上げられるのを確認しロープがいっぱいまできたら、ロープいっぱいとコールし、続いて登りますとコールする。テンションが掛かっているのを確認したら実際に登っていく。登る際はあまり手の力だけで登ろうとせず、足の置き場を常に確認しながら慎重に登っていく。できるだけ上半身を壁から離すと足の置き場がよく確認できるようになる。終了点まできたら素早く仮のセルフビレイをセットし、続いてメインロープを使ってクローブヒッチでセルフビレイをセットする。この際はよくムンターヒッチになりやすいので必ずクローブヒッチになっているかロープを実際に引っ張って確認を行う。
4. 懸垂下降
セルフビレイをセットしたのち、ロープを懸垂支点の真ん中にくるようセットをおこなう。次にロープの末端をオーバーハンドノットで確実に結んでからメインロープの振り分けを末端のほうから行い、残りを腕に振り分け2つに分ける。次に懸垂下降で降りる場所の確認をおこない、ロープダウンとコールし、支点側のロープの束から投げ下ろす。続いて同じようにコールしてから末端側の残りのロープを投げ下ろす。この時の注意点はロープダウンのコールをしてから少し間をおいて下に問題ないことを確認してから投げ下ろすようにする。次にバックアップをメインロープに取付け、確実に効くか確認し、続いてスリング等で延長したところにビレイデバイスをセットする。この時もビレイデバイスの方向に注意し制動テストを実施するようにする。懸垂下降の準備が出来たら、パートナーにもう一度確認してもらい下降の位置に着く。続いてビレイデバイスの下側のロープを強く引き、ロックした状態を保ったまま、セルフビレイを解除し下降を開始する。下降する際は、右手でバックアップを下げながら行うが、あまり強く握らないようフリクションヒッチの上のほうに手を軽く添えるようにするとスムーズに下降が行える。下降中はできるだけ後ろに体重を預け、壁に対して足が垂直になるよう、ゆっくり歩くように後方を確認しながら下降していく。着地したら一旦しゃがみ込みロープが引き上げられないようにし、ロープからビレイデバイスとバックアップを外すようにする。特に外す際にはビレイデバイスを落としたりするので必ずカラビナからロープだけを外すよう工夫する必要がある。
以上が一連の流れになります。今回の講習では2回繰り返し行いました。

【一口感想】
〈講師・スタッフ〉
「今回は金毘羅・船でシングルピッチ登攀、懸垂下降の練習をしましたが、ルートをよく覚えておらず、終了点を取り直すなどして手際がよくなかったのは運営の反省点です。実際の岩場での講習は今年初めてでしたが、自然物相手ではなかなか型通りにいかず、戸惑うことも多かったのではないでしょうか?しかしそれだけに、繰り返し復習して原則的な安全の考え方を確実に身につけ、初めての場面でも適切な判断と行動ができるようにしてください。細かいルーティーンについては、今後段々と慣れていかれると思います。2点具体的な注意点として、ビレイヤーは、クライマーがロープクリップする際には、引きずり落とさないようクライマーが手を伸ばす前にロープを出すようにすることと、クライマー落下の際、ハングしていない斜壁では打撲・骨折等のリスクが大きいので、即刻ロックすることを心がけてください。」 (N森)

「久しぶりの岩登りで緊張しましたが手順を思い出しながら上り下りしました。トップのビレイや懸垂下降はシステムとして自分の身体で覚えてください。私も手順を間違うことが良くあります。褒められることではありませんが間違った場合は道迷いと同じで早く気付いて正しい手順に戻ることが大切です。特に懸垂下降は間違いが取り返しのつかない事故につながります。懸垂開始時は必ずパートナーとシステムを確認しあうことが大切です。」 (T内)

「初めて岩登りをされる方、恐怖心から何が何だかわからないまま時間が過ぎたかもしれません。少し経験された方は何もかもが曖昧なままで時間がすぎたかもわかりません。経験値高めの方は今までの常識が違って混乱されたかもわかりません。そんな時はみんなの集まる場で遠慮なく言ってください。コミュニケーションはクライミングだけではなく登山全般で大切です。技術、知識は大事ですが人間同士の信頼関係が最も大事です。信頼できない人にビレイを任せられません。なんてかっこいい事を言いましたが、とにかく迷った時は気軽に質問して下さい。お疲れ様でした。」 (H谷川)

今回実技は初めてと言う事で皆さんの心配と緊張が伝わって来ました。慣れるまでは手順を覚えたり大変だと思います。しかしながら確実に覚えないと自分自身やパートナーを危険にさらす事になります。確実に覚え尚且つ体が自然に動く様に回数をこなしていきましょう。(K口)


〈受講生〉
「平地にて事前に練習は行ったが果たして初めての岩場でシングルピッチ登攀と懸垂下降が自分にはできるのかと思っていたが、講師とスタッフの方々の大変親切で熱意のあるご指導のお陰で自分でも何とかできたことに感動した。懸垂下降でロープに振られたが慌てず体勢を持ち直して落ち着いて降りるようお声がけ頂いて気持ちを持ち直すことができた。パニックになることが一番危険だと感じたし、最初にこの経験をしたことでロープに振られる感覚もわかった。登攀中や下降中の色々なアドバイスや激励が大変助けになりますし、また写真や動画で自分のクライミングを振り返ることができとてもありがたく思います。」 (N 堀)
「とうとう実地でのクライミング講習日。金毘羅山の『ふね』さんにご対面。緊張で、装備のセットに時間がかかりましたが、講師の方々の的確なアドバイスもあり、フォローとして2回登攀、懸垂下降も2回出来ました。途中、ぴりりと雨が来ましたが、無事講習終了。講習中は、各所作の注意点等を細かく指導いただき、ありがとうございました!」(M代)

「懸垂下降ではフリクションを装着するのが初めてでしたので、操作が難しかったですが、安全を確保する上では必要なものだと感じました。ビレイヤーは雨が降り出したので1回しか出来ませんでしたが、左手の使い方を学べたと思います。」(T成)

「色々覚えることが多く何度も反復練習しないと覚えきれないと思いました。ただ間違った場合はすぐに気づいて修正すれば大きな事故につながらないと思います。気づくことの大切さと必ず自分でどんなことも確認する重要性を強く感じた講習でした。」(N村)


<クライミング実技2> 皇子が丘公園

2024.4.28 皇子山公園内

1.支点構築
 先ず、公園内の立ち木を利用して支点を置き、マルチピッチクライミングの練習をしました。
(人の太腿位の太さの生きた木を目安に選びます。)
 2つの支点をアンカーとして利用する場合は、固定と流動の2つの方式があります。今回は主に、流動分散方式について学びました。2つの支点のうち1つが壊れても、カラビナがスリングから外れてクライマーが落ちてしまわないよう、スリングの片側は捻じって、もう片方とともにカラビナをかけることを忘れずに!

2.マルチピッチシステム(シングルロープ)
 2人ひと組で、実際の岩場でつるべ式でクライミングを実施することをイメージしながら公園の木々を渡り歩きました。
 開始時は双方でハーネスの装着状態等をチェックします。(ロック漏れ等無いように。)
そしてビレイヤーの練習を行いました。クライマーは木々にアンカーを付けながら進みます。ビレイヤーはロープが程よいテンションを保っているか確認を怠らないようにします。クライマーがクリップオンするときはロープを大きく繰り出しますが、それ意外はちびちびを繰り出す…でもOKです。ただし、ロープが制御の溝から外れていないか絶えず気にかけておきます。
 クライマーが登りきったら、『ビレイ解除』の一言でロープをデバイスから外します。次にビレイヤーが登る番です。双方でロープのテンション状態も気にしつつ、アンカーを回収しながら登ります。アンカー回収時はスリングを肩に二重のままかけてカラビナで留めます。無駄な動きの無いように。公園の中なのに岩場にいるようなイメージが出来ました。

3.懸垂下降
懸垂下降の練習は、公園の吊り橋横の斜面で行いました。ロープを二重にして半分ずつ、『ロープダウン』の掛け声とともに下方へ放り投げます。1番目に降りる人はフリクションコードでバックアップもします。足元を見ながら半身で降りていきます。2人目からは、下に降りた人がロープを持っていてくれるためバックアップの替わりになります。一連の動作時は手袋をしないとヤケドしますので要注意です。

以上で2回目のクライミング実技講習が終わりました。(報告:M代)
以下は、講師と受講生の一口感想です↓↓↓

(講師:N森)
アウトドアクライミングにおいてビレイとセルフビレイは最重要項目です。今年度、初めてそれだけのために実技の1日を充てましたが、良かったと思います。日常生活では、余り無い動きなので、すぐにスムーズに…とはいきませんが、ゆっくり確実に繰り返し、自然に出来るようにしてください。また、これらの技術を含め、安全に関わる事項は妥協せず、技術の難易度や使用頻度でなく、各リスクの大きさによって重要度を評価してください。装備選択も然りです。初級登山教室を通じ、各場面に相応しい動作が出来るよう判断力を身に着けていってください。
(講師:K口)
今回のカリキュラムは、支点構築・ビレイの練習・懸垂下降でした。
それぞれに解説や注意点の説明がありました。支点構築に関しては今回の教室では皆さんがセットする事は無いと思いますが、ビレイに関してはしっかり理解してもらいたいと思います。あとは数をこなして体に覚えさせる事です。頑張りましよう。
(スタッフ:S口)
普段からいつもやっていないことはどんどん忘れていく。
セルフビレイ、ビレイ、懸垂下降に加え、ロープの処理やカラビナの正しい持ち方…。
自分や仲間の命を守って楽しんで岩を登るなら、やはり実際にやっておくべきだと痛感しました。
いろんなことを復習できて良かったです。講師や受講生の皆さんの熱心さに拍手をおくりたいです。
ありがとうございました。
(受講生:N堀)
理解しているつもりでもいざ自分が懸垂下降するとなると緊張からかカラビナもうまく思うように掛からず、手順もままならない。どこがどう繋がって自分の安全が確保されているのか、どんな状態でも冷静に確認できるように各操作を常に意識しながら練習しないといけないと思いました。
(受講生:N村)
実技講習2回目ということで、主にセルフビレイとボディビレイ及び懸垂下降の講習でした。
最初はボディビレイの操作方法で、頭の中では理解していても、動きがぎこちなくなったり、操作方法で混乱してしまい、あまり上手くできませんでした。しかし、丁寧にゆっくりと操作するよう指導していただいた後は、少しコツがわかり、徐々にできるようになりました。考えながら動作するのではなく、自然に動けるよう、練習を繰り返すことが重要だと思いました。
クライミングについてはやはり危険が伴うので、ひとつひとつの動作を確実にこなせるよう、日々練習に励みたいと思います。

来週もよろしくお願いします。
(受講生:T成)
N森先生の指導どうりにできず、登山教室の進行そのものを遅らせてしまっているなと感じています。またビレイは人の命を預かるものなので、しっかりマスターしたいと思います。引き続きご指導をお願い致します。
(受講生:M代)
岩場をイメージしながらロープワーク出来て、次回が楽しみになりました。ロープワークの『なぜこの結び方…』などの説明で納得感を得られました。しっかり練習し、実地で活かしたいとおもいます。ありがとうございました。


<クライミング実技1> 皇子が丘公園

日時:2024年4月21日(日)8:30 ~ 15:00 曇り後雨 
講師及びスタッフ:N森(山の会オフトレイル)、T内(山の会オフトレイル)、K口(滋賀山友会)、H谷川(滋賀山友会)、H本(ちごゆり)、M内(滋賀山友会)
受講生:N村、M代(滋賀山友会)、T成(滋賀山友会)、N堀(滋賀山友会、記録)
【報告】
4月10日のクライミング座学1で学んだ理論に基づいてロープワーク、ビレイデバイスの操作、セルフビレイ、懸垂下降について装備の仕方、手順を実践的に学んだ。

1. ロープのたたみ方。ロープは自分の肩に添わせるように掛け、自分の腕の長さを利用して長さを揃え最後は中心部に何度か巻き付けてループの中に末端を入れて処理する。ロープは50mあるので絡んで使えないという事態がないよう、迅速に的確にたたみ整えておく。

2.  登攀場所に着くと何より先にまずヘルメットを着用し落石等に備えることが大切。ハーネス装着後はロープをエイトノットに結びタイインポイントに下から通してフォロースルーで捻じれがないよう二重にする。体重をかけて一本ずつしっかりと締めることが重要。末端はオーバーハンドノットで処理し、結び目を密着させる。

3.クローブヒッチの練習。左右の手とカラビナのゲートの向き左右とで計4種類何度も練習した。親指を下にして奥のロープを掴むのがコツ。反対に親指を上向きにして奥のロープを掴むとムンターヒッチとなり、ビレイデバイスの代用にもなる。

4.学んだロープワークをセルフビレイ(安全確保)に応用する。まずスリングをガースヒッチで対象物に巻き付けるが強度低下を防ぐため、できるだけ折り返しの角度がないよう使用する。次にタイインポイントに装着してあるスリングでバックアップをとり、支点カラビナにメインロープをクローブヒッチで結び安全確保する。カラビナの安全環の締め忘れがないよう注意。またセルフビレイは落下時の衝撃を低減するため腰より上の支点にセットし、常にテンションをかけ張っておくこと。
5.ビレイデバイスの制動原理を理解した後、ビレイデバイスを利用して懸垂下降する手順を練習。ビレイデバイスはロープの屈曲と溝に食い込むときの摩擦力によりロープを制御。上下に引っ張ると摩擦力が最大でロープが止まり、カラビナで折り返されて平行になるとビレイデバイスがロープ上を滑り下降できる。まずバックアップとしてのストッパー(フリクションコード)のスペースを確保するため、スリングにオーバーハンドノットで結び目を作った箇所にカラビナを掛け、ビレイデバイスまでの距離を延長しておく。次にスリングでセルフビレイをセットし、メインロープを折り返して支点にかけ、ロープの末端の結束を必ず忘れずに行った後、投下。バックアップのフリクションコードをマッシャーでメインロープに巻き付けカラビナでビレイループにセットしてから、ビレイデバイスをセットし確実に制動するか確認。ロープを引いてロックした状態でセルフビレイを外し下降開始する。実際にバックアップとしてのフリクションコードがメインロープから両手が離れた状態でもどれくらい有効かぶら下がって体験し、また手で下にずらすことで下降を調整できることも確かめた。最後にアンカーへのカラビナの取り付けとしてマスターポイントのカラビナがスリングから外れるのを防止するため、スリングの片方を1回ひねり、もう片方のスリングと一緒にカラビナを掛ける流動分散方式も学んだ。

午後から小雨の中ではありましたが、東屋の梁をうまく活用してロープを張り、受講生4名に対して講師・スタッフの方々の方が多いという非常に贅沢な環境で熱くご指導いただいたことに感謝いたします。大変内容の濃い実技でした。
【一口感想】
〈講師・スタッフ〉
初級登山教室最初のクライミング実技は、覚えることも多く、すぐにスムーズにできるというわけにはいかないかもしれません。一つ一つ手順を分解しながら、ゆっくりでいいので何度もやってみてください。その際、機械的に結果を憶えるのではなく、意味を理解しながら頭に入れることが大切です。そうすれば、ど忘れしても手順をたどり直せる可能性が高くなります。実技を思い出しながら配布した資料を見返してみれば、実技前より納得できる部分も多いのではないかと思います。最後に一点、ロープの結束でも何でもそうですが、力を入れなければならない時は、手先だけでなく腕全体、体全体を使うことを心がけてください。                          (N森)

セルフビレイは基本中の基本です。取付きやピッチ終了点の現場で素早くできるよう練習を重ねてください。そのためにもエイトノット(八の字結び)とクローブヒッチは確実に身体で覚えることです。一つ一つ確実に身に着けることで安全で楽しい山行が広がります。                                                                                                                                                                                                                                  (T内)

今回初めての実技という事で一番基礎となるロープワークでした。いくつか覚えれば良いのですが呼び名が複数あったり、上から下から右から左からと結び方が有り、また個々に覚え方が違ったり意外と覚えるのが大変だったりします。いずれにしても自分のスタイルを決めて、必ず正しく覚えるとにかく正しく。これを皆様にも守って頂きたいです。                                   (K口)

皆様1日お疲れ様でした。
今日はクライミングの基本的なシステムについての内容でしたが、本番では自分が登りかつ相方をビレイして行くことになります。なんとなくイメージはあるかも分かりませんが、わざわざロープで確保してもらいながら登るわけですからそれなりに危険な所を登ります。登り切った終了点やマルチピッチの各終了点などではけっしてほっと一息つける場所とは限りません。そして相方との信頼関係も必要です。完璧なシステムが出来上がっていても使う側が未熟であればとても危険です。時間はかかっても、例え忘れても何とか自力で正解を導き出せるように練習あるのみです。どうか皆さん事故のないよう安全第一でお願いします。おそらく皆さん今現在クローブヒッチを忘れてできない方が多いと思います。せっかくなので少しお時間を使って頂いて何とか思い出して下さい。結びの形を思い出して下さい。宜しくお願いします。                                                                                                                                  (H谷川)

 

〈受講生〉
クライミング実技一回目の講習に参加しました。
色々なロープワークの意味を説明いただき、腑に落ちることが多々ありました。今後、実際の岩場で技術を使えるように、学んだことを研鑽していきたいです。                                                                                                                                           (M代)

初めての実技講習ということで少し不安もありましたが、小雨の中、講師の方々には、丁寧に指導していただきありがとうございました。ロープやカラビナの扱い方など、YouTubeなどではわからない細かい部分を教えていただき、大変役に立つ講習だったと思います。しかしながら、覚えることが多いので、身体だけではなく頭も柔らかくして、今後もがんばっていきたいと思います。来週もよろしくお願いします。                                                                                             (N村)

クローブヒッチを左右の手で何回も何回も練習して、右手では頭で考えてからではなく反射的に動けるようになりました。単に説明だけで進んでいくのではなく練習する時間をとってもらえるのは大変有難いです。次回以降もよろしくお願いします。   (T成)

初めての実技を通じて、一つずつの操作、手順に二重、三重の安全確保の意味があり一瞬たりとも落下の危険がない状態を常に保つようシステムが構築されていることを実感しました。第一回の座学でスピード=安全という考えを教わりましたが、動作に無駄がなく緊張しても確実に操作がこなせることの必要性を感じました。                              (N 堀)




写真のみ 記録は、2023年度に掲載

2023年10月28日~29日 クライミング実技5 鈴鹿・御在所岳


2023年10月14日~15日 テント泊実技  鈴鹿・御在所岳


2023年10月1日 実施 クライミング実技4  びわ湖文化公園→堂山 


2023年9月10日 実施 クライミング実技3  大原・金比羅山 


2023.8.26〜8.27 実施 実技沢登2 沢上谷沢登り


2023年7月23日 実施 実技・沢登り1


2023年5月21日 実施 実技バリエーションルート 読図実技2  近江高島・三尾山~見張山 


2023年5月14日 実施 実技バリエーションルート 読図実技1  長等山~千石岩 


2023年4月23日 実施 クライミング実技2  大原・金比羅山 


2023年4月16日 実施 クライミング実技1  千石岩と皇子が丘公園 


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2023年度初級登山教室実施要項.pdf
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2023年度初級登山教室日程・申込書.pdf
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